こんにちは、ゆーじです。
私は30年近くこの業界で働き、自身でも18年のMRとしての経験があします。かつては交際費を有効利用しながら医療従事者との関係を構築していた時期もあったが、昨今は大きく環境が変わり難しくなってしまいました。
それに加え、特に病院担当者は病院側が厳しい訪問規制を引くようになり、今までのような訪問活動ができなくなってしまった。更に今年に入り新型コロナウィルスの跋扈により、訪問自体ができなくなった環境が一般化し、苦慮しているMR諸氏が急増したと推測します。
しかし、チャンスです。
コロナ禍が大きくビジネスチャンスを変えてくれました。競合ひしめく病院訪問ありきのプロモーション自体に変化があります。疲弊していたMRの皆さんはこのタイミングでチャンスをものにできる可能性があります。
MRに必要な3つのスキル:コロナがもたらした機会
今までのMR活動
前述でもお示しした通り、最近では接待こそなくなりましたが、特に病院担当の皆さんは下記の点で苦労されていた方が多いのではないでしょうか?
・アポイント以外で医師と面会しにくい
・面会した際に上手く説明できない
・競合他社が気になり競争に勝てない
・説明会の時間がなかなかもらえない
・出待ち時間が長くて無駄な時間が多すぎる

皆さん、こんな感じですよね?
私自身も随分長い間こんな風に感じていましたからね。
ところが、コロナ禍で環境が変わってきましたよね!
コロナがもたらした環境変化
コロナ禍になり大きく分けて2通りの方に分けられます。
もしも①のマインドをお持ちであれば早々に考え直した方が良いです。私の周りを見渡してみると、殆どの方は①に該当しているように感じます。
でも今まで競争に苦しんできた方は朗報です。コロナ禍に伴い自身のマインドを少し変化させてください。一気に勝ちパターンに入ることができます。
また大事なことは個人だけではないです。チームとしての考え方も変化させる必要があります。今までは本社である程度の方向性を決めて末端へ落とし込むのが一般的でしたが、これからは違います。エリアマネジメント、つまり本社戦略とエリア戦略を明確に分ける必要があります。また、これまでは大学や大規模な施設を担当しているMRの方に業務が集中していましたが、これからはその業務を如何に分担できるかが大きなポイントとなりそうです。
私の環境変化
現在の私はマーケティング部に所属しており、とある薬剤のプロダクトマネージャーをしています。コロナ禍以前は全国津々浦々を飛び回り、多い時で1日に2〜3名の医師に面会する日々でした。
ところが今年に入り完全リモートを余儀なくされ、3月以降は殆ど出社もせず完全リモート、つまり自宅にて仕事をしなければいけない環境に変化してしまいました。
しかしながら、この環境の変化がとても大きかった。ZOOMを用いた面会に持ち込んだおかげで、内勤と外勤のバランスがとても良くなり飛躍的に効率が改善されたのです。医師の面会も1日に多い時では8名、少ない時でも3名の面会がルーチン化しています。また、資材作成時の監修依頼・作業も1度の面会で完結するケースもあり、医師と双方に時間的ゆとりが生まれたのです。
面会の仕方も時間経過に伴い進化しています。それまでは“1 on 1”での面会が多かったのですが、現在は、特に講演会の打ち合わせなどの場合は関係する医師全員と同時面会するようにしています。当然私は自宅から面会しています。
また、高度な科学的解析結果を議論する際は、研究所のスタッフや開発担当者を交え面会の望むことも増えました。ZOOM面会であればそれが可能ですし、先方も一度の面会で解決するので喜ばれています。
今では実際に訪問して医師との面会に臨みながら、その間に宿泊先のホテルなどから全く違うエリアの複数医師と面会に臨む、所謂、ハイブリット型活動を実施しています。
また、私は多くの講演会も束ねています。完全リモート型の講演会もコロナ禍以前から実施しており別サイトで紹介しています。ご参考まで。
今後のMR活動に必要な3つのスキル
①リモート面会
出待ち待機時間やMRが沢山いる中でのプロモーションに緊張することも不要です。事前にスライドを用意しポイントをまとめておく。また、自信のない方は事前にノートにコメントを記載しておけば問題なくスムーズに面会できます。
さらに、上長や同僚、場合によっては本社スタッフも巻き込むことで非常に有意義な時間を構築することができます。結果的に日頃の訪問面会では得られなかった医師の反応を得ることができたり、次の面会のアポイントを決めることだって可能です。
しかも自宅にいながら可能なのです。
②エリア戦略に伴う業務分担
前述にもお示ししましたが、MRの業務集中を分散化した方が利益が大きくなります。具体的には説明会です。担当者によってはなかなか説明会の時間をいただけない方もいます。説明会を例にとって考えてみます。
今までは担当する施設内において各々の診療科で説明会(勉強会)を開催してきました。しかし今後は大きく舵を切るべきです。
これはハードルが下がりますよね。また、開催は下記の通りにセットすれば良いです。参加できる医師や薬剤師が自由な時間に参加できる環境を築くことが大切です。
1回目:17:00-17:30
2回目:18:00-18:30
3回目:19:00-19:30
実際この企画がとても有効です。
複数名で参加するメリット
質問に誰かが回答できる
自身の役割時間が少なくハードルが下がる
後から同僚のフィードバックを受けやすい
問題点の明確化と課題解決の糸口が見える
チーム力が高まる
ZOOM(ウェビナー)にて開催するメリット
診療科を超えて手の空いた医師・薬剤師が自由に参加できる
録画が可能であり、後から見直すこともできる
お弁当の手配や片付けが不要
③「お願い戦法」から「薬剤ポジションニング」へ
多くの医師や薬剤師が敬遠してきたのがこのMRによる「お願い攻撃」と聞きます。一方的なプロモーションをした挙句に「お願いだから使ってください!」的なクロージング。確かにこれでは説明を受ける先生方も嫌気がさしますよね!
そうではなく、医師と目線を合わせるには「薬剤のポジショニング」について議論を展開すべきだと感じます。これを複数名の医師と同僚を交えながらススメることで有意義な面会となること既に実感しています。
場合によっては他剤を勧められるMRが求められています!!
まとめ
時代の経過と共に大きく環境が変化してきた医薬品業界。そして昨今は新型コロナウィルスに伴い更に劇的に環境が変遷しています。新しいビジネスモデルを構築するにあたり、コロナ後の状況を見据え時代を先取りするだけでなく、今まで苦労してきたMR活動自体を見直すチャンスでもあります。
- 複数名によるリモート面会の実施(ZOOMなど)
- エリア戦略に伴う業務分担と最適化
- 論点を「薬剤ポジションング」へシフト
皆様の活動の一助になれたのであれば幸いに存じます。
時代の波に遅れない対策が必要です!!
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